09.03月24日 | ||
20代女性の心をつかむ? 新コンセプト通信講座「ハピコレ」とは | ||
通信教育講座「進研ゼミ」や、妊婦・出産・育児情報誌「たまごクラブ」「ひよこクラブ」などを発行しているベネッセコーポレーション(以下、ベネッセ)が、今年4月から女性向け通信講座の新サービス「ハッピーコレクション」をスタートさせる。“おうちレッスン”と銘打った教室に通わないサービスで、これまで同社が対象としてこなかった結婚・出産前の女性がターゲット。学ぶことよりも、好きなことを実践したいという女性の願望をかなえる新しい通信講座だ 通称は「ハピコレ」。コンセプトは「女性の上昇志向を刺激し、イキイキと心地よく、自分らしいと思える生活の実現を応援する」こと。入会すると、「COOKスキル」(料理)、「BEAUTYスキル」(美容)、「LIVINGスキル」(暮らし)の3つのコースに分類された全21種類のレッスンが選べる。それぞれのレッスンは6カ月で完結する全6回のプログラム。入会金は不要で、会員は21のレッスンから好きなものだけを選択して受講する。 ターゲットは20?30代の結婚・出産前の女性。この層を対象とした理由について、社会人学び事業開発部部長の植田幸治氏は「ベネッセの既存事業との接点が少なかった、社会人女性という新しい顧客層の獲得を目指した」と話す。これまでベネッセでは、学生向けや出産後の子育てに関するサービスを提供してきたが、20?30代の結婚・出産前の社会人女性を対象としたものはなかった。 加えて「これまでの通信講座や通信販売にあった『学び』や『手軽さ』という要素をさらに追及して、利用者のモチベーションにするものではない」(植田氏)とも。狙いは、『好きなことを楽しむ』ということがモチベーションになるような、新しい通信講座のカテゴリーを作ることだ。 各レッスンのテーマは、日常生活に密着しており、具体的で内容が分かりやすい。「COOKスキル」では、「朝10分で毎日のお弁当作りが楽しくなるレッスン」や「<和・洋・仏・中>シェフ直伝・各店のまかないごはんレッスン」など全8レッスン。「BEAUTYスキル」は、「“一生もの”の肌を目指すスキンケアのレッスン」や「飽きずに続けられる下半身ほっそりダイエットのレッスン」など全8レッスン。「LIVINGスキル」は、「こころリフレッシュ×からだリラックス♪アロマレッスン」や「紅茶とお菓子で毎日をもっと楽しむレッスン」、「“貯め&殖やしワザ”でお金に強い女性になるレッスン」など全5レッスンを用意した。いずれも対象となる20?30代の社会人女性をベネッセが独自にリサーチし、「好きだ」と感じるテーマを厳選した結果だ。加えて、料理研究家の藤井恵さんや、美容研究家の小林ひろ美さんら、女性から支持を集める識者が監修についたレッスンもラインアップした。 「20?30代女性はニーズがバラバラ。21のレッスンを設定することで、ターゲットそれぞれが好きなもの、興味があるものを選べるようにした」(植田氏)。 ハピコレの開発にあたっては、ターゲットである社会人女性の年収を300万?400万円に想定。1レッスンの価格を平均3000円台に設定した。価格が高すぎると受講に二の足を踏んでしまうし、安すぎるとレッスンの内容にボリュームがなくなる。うまくバランスを取った価格に設定したという。 レッスンを選ぶと、教則本であるレッスンブックと、その中で紹介している内容がすぐに楽しめるグッズが毎月自宅に届く。このグッズもハピコレの特長だ。例えば、化粧品会社「ナリス化粧品」と共同開発したイオン美顔器(「“一生もの”の肌を目指すスキンケアのレッスン」に付く)や、ガラスのティーポット(「紅茶とお菓子で毎日をもっと楽しむレッスン」に付く)など、女性の興味をかきたてるものが多い。人気のキッチン用品、柳宗理のトング(「アレンジパスタ」がパパっと作れるレッスンに付く)が届くレッスンもある。 ネットとの連動も「ハピコレ」の魅力。資料請求と入会受付を1月5日からスタートしたが、同時にWebサイトと携帯サイトもオープンした。この中には3月下旬からスタートする、登録無料の掲示板サービス「ハピ・カフェ」もある。これは、レッスンメンバーや掲示板をのぞいた人が、意見を交換できるもの。 また、例えば「かわいく仕上げるおうちネイル&ハンド・フットケアレッスン」や「朝10分で毎日のお弁当づくりが楽しくなるレッスン」では、「上手にできたら(撮影して)ハピ・カフェに投稿しよう」と呼びかける。「飽きずに続けられる下半身ほっそりダイエットのレッスン」ならば、「ハピ・カフェでレッスン仲間のダイエット日記をチェック!」を掲載する。こうしたネット系のサービスにより、メンバー同士、あるいは興味はあるがレッスンを受講するかどうかを迷っている人に情報交換の場を提供する。 このほかにも、4月からは実際に“リアル”な講座など、利用者を集めたイベントも行う予定。利用者同士の交流をさらに図りたい考えだ。利用者同士の交流が広がれば、これまでの通信教育につきものだった「孤立感」を払拭し、モチベーションを保つことにつながると考えている。 4月のレッスンスタートへ向け、モデルの山田優さんとタレントの柳原可奈子さんが出演するテレビCMのほか、「With」(講談社)や「AneCan」(小学館)などの女性誌とのタイアップ、さらに、3月23日までに申し込んだ人に「ハピコレオリジナル キャトル・セゾンポーチ」をプレゼントするなど、先行予約のプロモーションを強化している。 既存の通信教育や通信販売ではない「新しいカテゴリー」として定着できるか? 今後、ターゲットのニーズにマッチしたレッスンを素早く拡充できるかがポイントとなりそうだ。 |