16.11月29日 | ||
TBCが「求人詐欺」の撲滅に乗り出した理由 | ||
実際の労働実態と大きく食い違う条件を示して求人を行うことを「求人詐欺」という。これが一般的なものになってしまっているのが美容・痩身などの施術を行うエステ業界だ。 1対1の接客が必要で、従業員の業務は当日の来客数に大きく左右される。来客数が多い店舗であれば、必然的に従業員の業務量は膨らむ。こうした過酷な職場環境であるがゆえに、離職率は高い。慢性的な人手不足で、業界各社は目先の人材確保に躍起になっている。そのため、求人詐欺が頻発しているのだ。 こうした状態を改善しようと、業界大手のTBCグループ(東京都新宿区)は、8月26日に労働組合のエステ・ユニオンと「ホワイト求人労働協約」を結んだ。労働協約とは、労働者が組織する労働組合と使用者との間で締結された労働条件などに関する合意のことで、この基準に反する労働契約を無効とする効力がある。 企業がこうした協約を外部の労働組合と率先して結ぶことは異例だ。なぜこのような決断をしたのか。TBCグループの執行役員人事総務部長の長南進亮氏に話を聞いた。 |