16.05月14日 | ||
理美容業市場の縮小傾向続く、低価格化や来店サイクルの長期化などで | ||
厚生労働省が公表している「美容所概要」によると、平成26年3月末時点の従業美容師数は48万7,636人で前年より8,127人増加、美容所数は23万4,089施設で前年度比1.3%増加した。また、同省が公表している「理容所概要」によると、平成26年3月末時点の従業理容師数は23万4,044人で前年より4,042人減少、理容所数は12万8,127施設で前年度比1.6%減少した。 美容業は従業員数と店舗数がともに増加しているものの、経営面では店舗過剰や低価格化が懸念されている。理容業は店舗数が昭和61年をピークに減少傾向が続いており、平成8年から9年にかけて若干増加したものの、減少基調は現在も継続している。 理容業と美容業をあわせた理美容市場に関する調査結果もある。矢野経済研究所は1月から3月にかけて理美容市場に関する調査を実施し、その結果を4月26日に発表した。それによると、2015年度の理美容市場規模(事業者売上高ベース)は前年度比0.5%減の2兆1,658億円と推計された。内訳は美容市場が前年度比0.4%減の1兆5,220億円で、理容市場が前年度比0.5%減の6,438億円だった。2016年度の理美容市場は、前年度比0.5%減の2兆1,550億円と予想しており、市場は縮小傾向にあるようだ。 美容市場は来店サイクルの長期化や、誘客目的の割引クーポンを導入するサロンが増えており、客単価の下落が続いている。値上げに踏み切るサロンもみられるものの、顧客獲得競争が激しさを増す中では顧客離れが心配され、値上げに慎重なサロンが多いと指摘している。 理容市場でも来店サイクルの長期化や、低価格サロンの台頭で客単価下落が続いている。ただ、身だしなみを整える習慣は強く残っているほか、多くの理容店が施術内容の充実とセットメニュー化でお得感を訴求しており、消費税増税後も市場規模の落ち込みが軽微にとどまったと同社では分析している。 理美容業は、私たちの生活に欠かせないサービスではあるものの課題は多く、厳しい状況はしばらく続きそうだ。 |