16.04月18日 | ||
「訪問理美容」高齢者に人気 外出困難でもOK 稚内、移動費補助 | ||
【稚内】体が不自由で外出が難しい高齢者らの自宅や施設に出向いて散髪する「訪問理美容」が、市内で人気だ。対応する店舗は近年、増えているほか、訪問専門の店も開業しており、お年寄りの頼れる存在となっている。市も理美容師の移動費を補助するなどして、訪問理美容の取り組みを後押ししている。 「自宅や病院、施設のどこでも駆けつけてくれて本当に助かります」。市内で訪問専門の理容サービスを行う高橋清香さんに散髪してもらった市内恵比須の菊池厚子さん(62)は、笑顔で話した。普段は3カ月に1度、自宅に来てもらうが、市内の特別養護老人ホームのショートステイを利用していたこの日は、施設内の一室で散髪してもらった。足を骨折して入院していた時には病院に来てもらったこともあるという。 高橋さんは市内の理容室で勤務していた頃から、訪問理容の需要の多さを感じ、4年前に独立した。「以前は店との兼ね合いで決まった曜日しか訪問できなかったが、今はお客さんの都合に合わせて行くことができる」と話し、利用客のニーズに合った対応が好評だという。多いときは月に5、6回ほど高齢者宅などを訪問している。 市地域包括支援センターによると、市内で訪問理美容に取り組んでいるのは、2013年度に少なくとも27店舗あり、10年度に比べて2倍近くに増えた。理美容室は現在、市内に約150店あるが、組合に加入せず独自に訪問サービスを展開している店も多く、稚内理容組合の佐藤徳一組合長は「訪問対応店も増えていると感じるが、把握は難しい」と話す。 萩見5の美容室「マリッヂ」は、店の定休日の日曜日に訪問美容を行っている。若狭美保店主は「ここ数年は訪問の利用客が増えている。最近は予約が1日3件入ることもあり、休めないほど忙しい」という。 市は要介護3から5に認定され、日常生活に支障がある人を対象に理美容師を自宅に派遣するサービスを行っており、理美容師の移動費用を負担するなど取り組みを後押しする。ただ、近年の利用は年間10件未満といい、担当者は「制度を活用してほしい」と呼びかけている。( |
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