13.10月10日 | ||
子育て中のママ サロン共同経営 飯塚市の商店街 | ||
育児と両立できる職場を自らの手でつくろうと、子育て中の母親たちが共同オーナーやスタッフになった美容サロン「リアン」が福岡県飯塚市の東町商店街にオープンした。開店時間は保育園の送り迎えが可能な時間に設定し、子どもの急病などで休まなければならない場合は「お互いさま」と仕事をカバーし合う。職場の妊婦や母親に対するマタニティー・ハラスメントが問題になる中、ママたちの挑戦は注目を集めそうだ。 共同オーナーは、出張リンパケア業を営む渡辺記子さん(36)=同県飯塚市=と、エステティシャンの松田京子さん(34)=同県田川市、福嶋未央さん(29)=同県嘉麻市。ネイルアーティストなど4人のスタッフも含め、全員が幼児や小学生の母親だ。 苦い体験がある。松田さんは次男(3)を出産した後、勤めていたエステサロンに復帰したが「子どもが体調を崩すと休まなければならず、仕事を続けにくかった」と半年で退職。同じ職場で働いていた福嶋さんも「帰宅時間が遅く、家事や子育てに手が回らない」ため、三男(1)の出産前に退職した。 「仕事を続けたいけど、働きやすい環境の職場が見つからない」 2人の悩みを聞いた友人の渡辺さんが共同サロンの経営を提案。商店街の空き店舗を借りて改装するとともに、同じ境遇の母親たちにも声を掛け、スタッフを募った。 今月初めにオープンし、開店時間は保育園の送り迎えなどを考慮して「午前10時半から夕方まで」と設定。店内にはエステやリンパケアを施す4部屋の個室ほか、子どもたちを遊ばせるスペースも用意した。家賃や光熱費は、全員が売り上げを出し合って賄う。 それぞれが特定の客につく「個人営業」が基本だが、子どもの病気などで休まなければならない場合は互いにカバー。収入は1人あたり月4万?5万円程度が目標。ただ、それが全てではない。 「育児中でも社会との接点を持ち続けることができる場所をつくることが最大の目的。ここで技術を磨き、自分の店を始めるなど次のステップに進むきっかけにもなれば」と渡辺さん。店名の「リアン」はフランス語で絆を意味するという。 |
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