10.06月01日 | ||
管理理美容師 廃止へ 事業仕分けで | ||
5月24日の政府・行政刷新会議「事業仕分け」第2弾後半戦で取り上げられた指定講習事業で、管理理容師・管理美容師制度が廃止されると結論付けられた。 理容師美容師試験研修センターの指定講習事業(管理理容師美容師講習)が5月24日の政府・行政刷新会議「事業仕分け」第2弾後半戦で取り上げられた。 事業仕分けは、ワーキングBグループが担当して、予定の午後3時45分から約1時間遅れで開始された。 まず、説明者の厚生労働省・松岡正樹生活衛生課長が管理理容師美容師講習の制度やその必要性、実績などについて説明したのを受けて、仕分け人側が今回のテーマを「養成施設での授業内容が同一なのに、その必要性と受講者の負担が妥当かどうかを論点にすすめたい」としてスタートした。 説明者側委員は、管理理美容師講習の衛生確保面での重要性を強調したが、仕分け側委員から、重要ならなぜ、2人以上とするのかといった疑問点が指摘された。また、養成施設での保険衛生授業が100時間を越えているのに、管理理美容師講習では18時にすぎない点や、受講者の大半が受かってしまう制度、さらに、業務委託する必要性についての疑問などについての質問が寄せられたが、説明者側から仕分け側委員に十分な説明がなされなかった。 仕分け側委員(8名)の評価は、不要7名、見直し1名。制度設計の変更を求めると共に法律の改正を進める、とした。 事業仕分けでは廃止と結論付けられたが、法律で規定された制度であるため、今後の動向は不明。 【仕分け作業で配布された資料】(pdf) <写真は説明者側席に座る、業界団体代表の堀純中央理美容専門学校校長(左)と藤原全美連副理事長> 【行政刷新会議「事業仕分け」の結論】(行政刷新会議発表・原文のまま) ワーキンググループB 事業番号B-41 (事業名) 指定講習事業 (法人名) (財)理容師美容師試験研修センター 評価者のコメント(評価シートに記載されたコメント) ● 講習の内容・意義が不明確であり、設立当時の目的ともズレてきている。 ● 資格の存在意義が理解できない。 ● 講習自体が不要。 ● 本講習の必要性自体が明確に説得力をもって説明されなかった。そうである以上、民間の負担で独占的な事業を行わせるべきではない。 ● 制度自体を一から見直す必要がある。最も有効な研修手法になるよう再検討を。 ● 説明を聞いても、テキストの一部を見ても、(財)理容師美容師試験研修センターのみが実施する専門研修と判断することはできない。専修学校(養成機関)に委託することも含めて競争的環境を整備すべき。 ● (見直しを行う「その他」、とした上で)講習内容を精査し、公衆衛生上必要な知識なら、1人の 店でも義務付けるべき。 WGの評価結果 廃止 (管理理容師・美容師講習の廃止) 権限付与自体の廃止 7名 見直しを行う 1名(講習内容を見直すべき 1名) とりまとめコメント 公衆衛生についての理解を深めていくことに関して、評価者は何ら疑問を持っていない。ただ、この講習制度の立てつけ上、理容師・美容師が2名になったら受けなければ行政刷新会議「事業仕分け」ならないことの合理性が、本日の説明では理解できなかった。 公衆衛生に関して、理容師・美容師の資格を取得する際に、より一層、公衆衛生について理解を深めさせることはいいと思うが、わざわざ2名になる時にこれを受けなければならないと義務付けることについては、当WG としては理解できない。このため、権限付与自体の廃止、すなわち、2名になると受けなければならないという講習制度自体の廃止・見直しを結論とさせていただく。 |