08.12月26日 | ||
富士経済、生活習慣病予防など健康志向食品市場調査、08年の健康志向食品市場は1兆2282億円に | ||
富士経済は、08年9月から10月にかけて、健康・美容に良いというコンセプトの健康美容食品(以下、H・Bフーズ)のうち健康志向食品を訴求効能から18カテゴリーに整理し、各カテゴリーの動向を実査、分析した。その結果、2008年の健康志向食品市場は1兆2282億円(前年比0.4%減)の見込みとなっている。メタボ対策需要の恩恵受けず前年割れの見通しだ。また、大人向けカルシウム訴求商品が牽引し、骨・関節サポート市場は1115億円(前年比7.6%増)を見込んでいる。なお詳細を報告書「H・Bフーズマーケティング便覧2009 No.1 ?健康志向食品編?」にまとめた。富士経済では、H・Bフーズの市場全体を効能・効果より味覚を重視する「健康志向食品」と、味覚より効能・効果を重視する「機能志向食品」に分けて調査している。今回は、「明らか食品」と「ドリンク類」、それにこの2種類で許可された「特定保健用食品」を対象とした健康志向食品の調査結果を報告する。 なお、この調査では約1500億円と大規模な市場に成長した生活習慣病予防を、従来までのカテゴリー全体に加え、(1)中性脂肪値・コレステロール値改善、(2)血糖値改善、(3)高血圧予防、(4)その他??と4つの訴求効能別カテゴリーに再編し、各カテゴリー別に詳細な市場動向を把握できるよう情報量を増やしている。 健康志向食品市場は、1兆2282億円、前年比0.4%減が見込まれる。市場は05年に初めて前年割れしたが、06年、07年は肝機能改善、高血圧予防などで大型新商品の登場もあり増加に転じた。しかし、08年は再び前年割れする見通しとなっている。健康志向食品市場の22.5%を占め最も構成比の高い整腸効果は実績を伸ばしているが、次いで構成比が高く12.2%を占める生活習慣病予防や、美肌効果、ダイエット、栄養バランス、喉の不快感除去などの実績の減少が要因として挙げられる。 商品種類別に見ると、08年の明らか食品市場は前年比1.3%増の5205億円が見込まれる。新商品投入が相次ぐ栄養バランスや、近年高い成長率を遂げているエチケットが前年比10%以上伸ばしているほか、整腸効果、生活習慣病予防などが微増している。アイケアや貧血予防・改善が急成長していることも注目される。一方、08年のドリンク類市場は前年比1.7%減の7077億円が見込まれる。ダイエットや免疫賦活作用、栄養バランスが大きく減少している。高成長したウコンドリンクが大半を占める肝機能改善や、大人の健康需要を喚起している骨・関節サポートは、前年比10%以上増加している。 08年は40歳以上を対象とした特定健康診査の義務化がスタートし、メタボリックシンドローム(以下、メタボ)対策商品の需要が高まる可能性があった。しかし、実際には消費者が動かず、新甘味料(ダイエット)や健康油(生活習慣病予防)は店頭での取り扱いの増加により実績を伸ばしているものの、多くの品目でメタボ対策需要の恩恵を受けていない。糖類・糖質ゼロのアルコール飲料のようなH・Bフーズ以外の一般加工食品ではメタボ対策商品が実績を伸ばしているが、健康志向食品はメタボ対策を目的に選択される商品としての需要が高まっていないことがうかがえる。 |
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